シリーズ企画 機械事業部 Bさんの挑戦! VOL.2

第1弾を見ていない方はこちら「シリーズ企画 機械事業部 Bさんの挑戦!

窮地で見せた底力 —
“代役”から“主役”へ変わった日

成田空港にて、韓国からの技術スタッフを迎える

1. イントロダクション:シリーズ第2弾の背景と目的

2024年9月、キョウエイの機械事業部に新たな風を吹き込むべく加わった韓国人技術者、Bさん。前回の記事では、彼が異国の地で言葉の壁を越え、技術習得に励む「助走期間」を描きました。
しかし、プロフェッショナルが真に試されるのは、平時ではなく、計算外の事態が起きた時です。

今回のメインテーマは、「予期せぬ窮地(ピンチ)での覚悟」

Bさんの歩みは、単なる一新人の成長記録ではありません。それは、キョウエイの核心的なアイデンティティである「できないではなく、とにかくやってみよう」という精神が、研修という保護された枠組みを飛び出し、いかに実戦のトラブルにおいて具現化されたかという証明でもあります。順調に見えた研修期間に突如として訪れた、現場の「リアルな厳しさ」。その時、彼は何を選択したのか。Bさんが“新人”から“キョウエイの代表”へと脱皮した瞬間に迫ります。

2. 突発的な危機:上司K氏の不在とBさんへの「特命」

その日は、まさに「のっぴきならない事情」が重なった日でした。機械事業部の上司であり、Bさんの師でもあるK氏が、他社での打合せ重なる出張により、物理的に身動きが取れなくなってしまったのです。

折しも現場では、韓国から技術スタッフが来日し、顧客先での重要な修理・技術対応が待たれていました。この局面で「キョウエイのエンジニア」として動けるのは、Bさん一人。日本語に不自由がなく、かつ本国のスタッフとネイティブな意思疎通ができる彼は、この窮地を打開できる唯一の希望となっていました。

技術スタッフを引率し、現場へと移動するBさん

指導役として、K氏は当時を振り返ります。

K氏(上司)
正直、冷や汗ものでした。本来ならまだ私が横についてサポートすべき段階でしたが、 物理的に私がいけない。彼にすべてを託すしか道がなかったんです。

K氏は「祈るような気持ち」で、Bさんを「キョウエイの代表」として一人、現場へ送り出しました。それは決して、教育のための「あえての放置」などではなく、組織の看板を背負わせ、一人で荒波に放り込まざるを得ない、文字通りの特命でした。

顧客先にて、技術スタッフとタッグを組んでメンテナンス対応を行う

現場では、単に作業を行うだけでなく、韓国メーカーのスタッフと密に連携を取りながら、最善の解決策を模索し続けました。

言葉の壁を超え、技術的な詳細を詰める

3. インタビュー:Bさんが語る「覚悟の瞬間」

現場の第一線に一人で立ち、顧客や韓国の技術スタッフと対峙したBさん。その時、彼の内面では劇的な意識の変革が起きていました。

Bさん
Kさんが来られないと知った瞬間、凄まじいプレッシャーに襲われました。 でも、現場に到着して気づいたんです。お客様や韓国スタッフにとって、 僕は『研修中の新人』ではなく、『営業技術を担う株式会社キョウエイの代表』 なのだと。そう自覚した瞬間、逃げ道が塞がれたことで、 逆に『やるしかない』と腹が決まりました。

この土壇場での踏ん張りを支えたのは、精神論だけではありません。Bさんは昨夏の数ヶ月間、自社の製造部で実習を積み、実際に加工ワークの設置や機械操作を肌で学んでいました。

日頃の製造現場での実習や図面研究が、今回の状況での自信となった

Bさん
あの実習で、加工者の視点から機械の動きや設置のコツを学んでいたことが、 大きな自信になっていました。また、日頃から工具を図面に起こす トレーニングを重ね、図面の読み取り能力を鍛えていたので、 現場で起きている現象を技術的な裏付けを持って理解することができたんです。 言葉の仲介だけでなく、エンジニアとして何が問題なのかを 自分なりに判断できたことが、主役として振る舞うための根拠になりました。

4. インタビュー:上司K氏が語る「信頼と再発見」

現場から戻ったBさんの報告を聞き、K氏は安堵とともに、彼に対する評価を大きく書き換えました。

K氏(上司)
報告を受けた時は、本当に胸をなでおろしました。 彼は単に通訳として言葉を繋いだだけではなく、 多角的に習得してきたスキルを総動員してくれました。 図面作成の習得、そして製造現場での泥臭い実習。 それらがすべて、あの日、彼を『代役』ではなく 『その場における最適任者』たらしめていたのだと 再発見させられました。 失敗を恐れず、持ち前の語学力に技術的な理解を 上乗せして対応しきった彼の姿に、 私自身も教えられることが多かったです。

一朝一夕には覚えられない深穴加工の世界。しかし、逃げ場のないピンチを乗り越えたという事実は、彼がキョウエイの戦力として確固たる地位を築くための、何より強い「信頼の根拠」となったのです。

5. キョウエイの「5C」と「とにかくやってみよう」の体現

Bさんの行動は、キョウエイが大切にする行動指針「5C」を、予定調和ではない真剣勝負の中で体現したものでした。

Challenge(挑戦)
重圧のかかる独り立ちの現場から逃げず、未知のトラブルに真っ向から挑んだ。
Change(変化)
既存の「教わる新人」という意識をリセットし、自らを「責任ある代表」へと劇的に変革させた。
Customer(信頼)
K氏不在という不安を感じさせず、顧客の困りごとを技術力とコミュニケーションで解決し、信頼を守り抜いた。
Condition(研究開発)
刃物の選定や加工条件の理解といった、日々の「条件出し」への探究心が、現場での的確な状況判断に直結した。
Cooperation(協力)
韓国スタッフと顧客、そして社内の仲間を技術という共通言語で繋ぎ、円滑な協力を引き出した。

今回のエピソードの真の価値は、この5Cが平時の研修プログラムではなく、一歩間違えれば信用失墜に繋がりかねない「実戦の窮地」において発揮されたことにあります。「とにかくやってみよう」という精神が、組織の土壌として深く根付いているからこそ、トラブルは最高の成長機会へと転換されたのです。

無事任務を完了し、韓国スタッフを見送る

6. 結論:未来への一歩と「カッコいい仕事」への誇り

あの日を境に、Bさんは「教わる立場」から、キョウエイの「頼れる戦力」へと大きな一歩を踏み出しました。

キョウエイの原点は、「子どもに胸を張れるカッコいい仕事をしよう」という想いにあります。航空機や船舶、エネルギー分野を支える「深穴加工のスペシャリスト」としての誇り。そして、その情熱は今、ロケットや宇宙ステーションといった未知の領域を見据えています。

Bさんが今向き合っている一つひとつの課題は、すべてその先の「宇宙」へと繋がっています。目の前の困難を乗り越えるたびに、キョウエイが掲げる大きな夢は、より現実味を帯びて近づいてくるのです。

「とにかくやってみよう」。 この合言葉を胸に、今日も現場で新たな問いに挑み続けるBさん。彼の進化は、まだ始まったばかりです。次なるステージで、彼はさらにどのような「カッコいい仕事」を見せてくれるのでしょうか。

シリーズ第3弾にも、ぜひご期待ください!

すべてのミッションを終え、安堵の表情を見せるBさん

© 株式会社キョウエイ – シリーズ企画「Bさんの挑戦」